第3の水源としての雨水利用
私達が日々の活動で使う水の水源として、「河川・湖沼」や「地下水」が存在することは一般的によく知られています。しかし、もう一つの水源である「雨水」については、山間部や離島などのごく一部で利用されているものの、それを地域の本格的な水源として位置づけて利用しているケースはほとんど見当たりません。
ところが実際は、雨水は適切な集水方法と貯水方式を採用することにより、「河川・湖沼」、「地下水」に次ぐ、いわば第3の水源として、大規模に利用することが可能になります。世界的な水不足が問題になっている今日、その道を確立することが喫緊の課題になっています。
私どもトーテツは過去十数年にわたってこの課題に取組み、小・中・大規模を可能にする、集水・浄化・貯留・利用に関する技術を完成しました。
雨水利用の概念
今、なぜ雨水利用なのか
今世紀は『水』が人類共通の最大のテーマになるといわれています。私たちはどうやって必要な水を確保するのか・・・。また一方で、多くの都市が都市型の洪水やヒートアイランド現象に悩まされ続けているのも現実です。どうやら、これらの問題を解決して、自然と調和する世の中を築くかぎは、雨水利用にあるといえそうです
1、各自、各地域が自前の水源を持ち、非常時の備えがある家、災害に強い町を築こう
災害発生時の経験を引き合いに出すまでもなく、水はまさに『生命の源』であって、1日も欠かすことのできない大切なものです。自分たちの居住空間に降る雨を蓄えて、主要な水源として利用し、水道水はむしろ補助的水源として位置づけるといった意識が、今、求められているのではないでしょうか?

2、都市型洪水を防止しよう
地表面がコンクリートや建物で覆われている都市部では、豪雨に襲われると雨は地中に浸透することなく、一気に流れくだり下水道や河川をあふれさせ、時として低地や地下街に流れ込んで人的被害を発生させます。各家庭や地域で雨水タンクを備えて利用することは、降雨の流出を遅らせ、被害発生を防止するのに役立ちます。

3、ヒートアイランド現象を暖和し、よりよい住環境を実現しよう
都市部で体験する夏場の焼け付くような暑さ。いまや、東京の夏は熱帯地方の都市に匹敵するといわれています。こうしたヒートアイランド化を暖和するために、舗装面に散水したり、屋上や屋根、壁面を緑化することが行われていますが、そのための水源として雨水を利用すれば前記二つの対策とあわせて一石三鳥の効果が得られます。

4、ダム依存から脱却し、自然と調和する水環境を回復しよう
ダム建設が、ダムに水没する地域の自然破壊にとどまらず、海岸の浸食や河川の水質悪化などにも広く悪影響を及ぼしている実態が明らかになるにつれて、今や『脱ダム』は世界的な動向となっています。それぞれの地域に降る雨水の利用率を高め、ダム依存からの脱却を図ることは、自然が本来持っている水循環の役割を取り戻すことにつながります。

5、世界的な水不足問題を解消するために、雨水の本格的利用の道を開こう
世界の水需要は今後、人口増加や都市へのさらなる人口集中などに伴って増大を続ける一方、農業用水の主たる水源となっている地下水の枯渇が懸念されています。海外で起きるこうした事態は、貿易立国である日本にも深刻な影響をもたらすことは必至です。こうした危機を回避するために、一日も早く雨水利用を中心とする有効な対策を確立することが求められています。
