プラスチック製の貯留材を遮水シートで包んで築く、この種の貯水槽の場合、遮水シートは人手による折り曲げ作業を伴うので、通常、厚さ1.5mm程度のものが使われます。こうした薄いシートの中に水を貯めるのですから、当然のこととして、水漏れを発生させないためには、それなりの工夫が必要になります。当社が十年以上の経験を積み上げてはっきりしてきたことは、この種の地下貯水槽の水漏れは、大部分が次に述べる二つの原因に起因するということです。一つは地中に設置されるこの貯水槽は完成前に土中に埋設されることになりますが、この埋戻しの際にガラスや釘、先のとがった石等々によってピンホールが発生することです。この埋め戻し作業は、通常は重機を使って行われますから、貯水槽の規模が大きくなればなるほど、ピンホール発生の可能性は高まることになります。そしてもう一つは、この地下貯水槽に雨水を導入するには、シートに孔を開けて、シートとパイプを接合する必要がありますが、この接合部が破損されやすいということです。塩ビパイプのような硬いものとシートのような柔らかく薄いものを接合するのですから、パイプ側に土圧等の大きな力が働いたら、接合部が簡単に破損してしまうことは容易に想像できることと思います。トーテツのセル型構造地下貯水槽は、これらの二つの問題を解決しており、構造的には『完全防水型』といっても差し支えないと考えています。もちろん、どんな工法もそうですが、施工が不備、不完全では満足な結果は得られませんが・・・・。