地表面に存在する河川や湖沼の水も、その源は雨であって、地球上にはこうした『自然の水』をそのまま飲み水として利用している多くの人たちがいます。このことは基本的には雨水は飲めることを意味しています。しかし、この『自然の水も』自然の営みや人間活動に伴って汚染されることがあって、そうした場合は汚染状態が解消するまで待つか、人為的に浄化する必要があります。また、初期浄化が不十分なまま雨水を長期間貯留すると、雑菌が繁殖して、いわゆる『雨水が腐る』状態になります。こうした水は当然『飲用不適』です。問題は、この雑菌の繁殖の程度は千差万別であって『外観や臭い、味だけでは判断できないこともある』ということです。こうしたことを総合的に考慮して判断するならば、初期浄化が適切に行われて貯水された雨水は、比較的簡単な処理で飲料化できるということです。『非常時にはそのままでも沸かせば飲める』といのは、雨水利用の多くの専門家の一致した意見です。また、近年得られた知見からするならば、活性炭や中空糸膜を用いて浄化し、さらに塩素等で殺菌すれば間違いなく飲料化できることです。しかしそこまでやらなくても、地域や場所によっては、ごく簡単な殺菌だけでも飲用化可能な場合も多いといえましょう。